初夏の滝山城跡散策
滝山城は、北条氏照が八王子城に移転する前の居城(1559~1567年頃)。
今日「都立滝山公園・滝山城跡」として整備されています。
少し時間がとれたので、午前中にふらっと散策に出かけてきました!
【駐車場】
滝山街道沿いに無料の滝山観光駐車場(29台分)があります。
シーズン中は臨時駐車場も案内されるみたいです。
※駐車場横や園内でガイドマップが配布されています。
【吉田久稲荷】
駐車場から数分歩くと吉田久稲荷。
竹林から木漏れ日が射し、神々しい空間でした。
【千畳敷】
通路左手に千畳敷。
少し丘を上ると・・
広大な草原が!!
森の中で突然開けた空間が現れる思いがけない展開。
ちょっとこのロケーションは感動的です!
【中の丸】
中の丸はトイレが設置されている広場。
魚眼レンズで広い範囲を収めた写真↓
中の丸と本丸の間にかかる引橋↓
この引橋は平成になって架けられた観光用のものです。
当時はもっと低い位置に架けられ、戦の時には外すことができたらしいです。
【本丸】
城の最後の砦、本丸跡。
こちらも大きな草原となっており、木陰には国史跡の石碑が佇んでいました。
枯れた井戸も残っています↓
転落やゴミの投入を避けるための鉄格子で閉じられていますね。
【霞神社】
本丸の北側上段に霞神社。
この神社は明治45年に創建された戦没者慰霊の神社。
【金毘羅社】
霞神社の北側には金毘羅社。
金毘羅社から拝島方面の眺望↓
【土塁】
土塁は土を高く盛った土手のことで、滝山城全域にその造形が見られます。
左の写真↓は、通路から敵陣が攻めて来ても土塁の上から応戦しやすい設計になっています。
また、右の写真のように谷底から階段状に造成した当時の強固な守備が垣間見れます。
しかし、鉄砲の時代になると滝山城のような地形では守りにくくなったため、八王子城の山城へ移転したのだとか。
(ガイドさんに教えてもらいました)
【弁天池】
ガイドマップに弁天池と記されており、森の中でひっそりとした"モネの池"みたいなものが現れるのか?興味深々でした。
中の丸跡で活動されていたボランティアガイドさんにお話しを伺ったところ、現在立入禁止になっているけどガイド付きなら進入可能とのことだったので連れていってもらうことにしました。
立入禁止エリア内に入ると納得。確かに足場が悪いし方向を間違えると遭難しそうな環境です。
安全に整備されるまでしばらく時間がかかりそうと言っていました。
弁天池は、枯れた池(;´・ω・)
水はないけど、広葉樹林に囲まれたとても雰囲気の良いロケーションです。
こちらの写真は、弁天池に上陸した風景↓
湿地に木道を整備したら想定外の沈下を引き起こして荒れてしまったという感じですね。
何故、水が溜まっていないのか伺ったところ、当時滝山城から八王子城に移る際、下の写真のように堀を壊して放流させてしまったらしいです。その理由は記録に残っていません。
まぁ、普通に考えると敵に占領された場合、生活に欠かすことができない水源をそのまま残しておく訳にはいかないでしょうからね。
弁天池の遺構説明では「小舟を浮かべて宴を楽しむような池だったと思われる」と解説されています。
私が感じたのは、本丸の井戸を枯らせないために池に水を溜めておく必要があったのではと思いました。
本丸の井戸は谷側ではなく山側で標高の高い場所に作られているから、井戸水が枯れやすい立地と分かります。そこで弁天池が地下水を保つ重要な役割を果たしていたのではないでしょうか。
現在、弁天池の整備計画はいろいろ構想があるみたいです。
もし池が再現されたら滝山城の強力な観光資源になりそうですね。
★神秘的な弁天池の再現イメージ(生成AIで作成)
【後記】
滝山城跡は期待以上の素敵な環境でした。
森の中で過ごすことが好きな人には、都心から近くて遭難の危険もない穴場的スポット。
訪れた印象ではペット連れが多く、地元の人たちが身近に利用する憩いの公園って感じですね。
これだけ大きな公園なのに駐車場がたった29台でお昼頃でも空きがありました。
一般には、一部の城マニア向けのスポットと思われていたり、子供が主役のファミリースポットとして訴求していることから、訪問者が限定されてしまっているのでしょうか。
撮影写真でも分かるように、人物が写り込まないほぼ貸切状態です。
混雑する高尾山でハイキングするより、こちらの滝山公園でのんびり過ごした方がリフレッシュできると感じました。
興味のある方は、まだ?空き空き状態の都立滝山公園・滝山城跡を訪れてみてはいかがでしょうか!!
(2024.6.22)